さよならは辛い

木曜日の午後に一本の電話が入った。「先生 突然 主人が転勤になってしまい レッスンが続けられなくなってしまって・・・」Mちゃんからだった。彼女は文化センターとプライベートの生徒さんだった。スレンダーで美人しかも性格がよくて人気者の彼女 ジャズヴォーカルを始めて4年目になりこれから頑張っていこうという矢先の出来事でした。
しばらく電話で話しをしたが実感がわかない 行き先は名古屋・・・他府県からレッスンに来ている人はいるが 名古屋は遠すぎる 子供がいるわけでもないので ご主人だけ単身赴任してもらう
わけにもいかない 私はジャズヴォーカルを教え始めて20年近くなる 生徒さんは永遠に続けるわけではないが だいたい 辞める時期はある 卒業みたいなものである か経済的理由 彼女はついこの前まで新曲にとりかかり やる気満々だった。
今日のレッスンは極めて冷静にしていて 最後彼女の「さよなら」で閉めようと思ったのだったが
順番が回りMちゃんの歌になると もうこの声は聞く事ができないのだと言う思いが 私の心を締め付けた ポトリと涙が出た。
何人もの生徒との別れがあった でも 一旦お休みします。というなんか又会えるよね みたいな感じで 辞めていく人が多い
カルチャーの場合はいたって冷静に受け止めれるのだが プライベートの生徒の場合 気持が入りこんでいるのだろうか と同じ市内や都内あたりならいいが 遠距離ではちっとやそっとでは「また来てね」と言う訳にはいかない
淋しい・・・
下の妹の亭主もサラリーマンであり転勤転勤が重なったが「私は行きません」と言い切り 赤ちゃんだった姪を逆手に取ったのだろうか 横浜を動こうとはしなかった。
北海道赴任の時は毎週飛行機で帰ってくる旦那さんがかわいそうと思った時期もあったが・・・・
転勤というのはサラリーマンの宿命なのか そしてその知らせは突然告げられるらしい Mちゃんも2〜3日前に言われ すぐ行かなくてはならないらしい 
でもご主人の実家は東京 本社も東京
又近い将来ではないが会える可能性はあるし Mちゃんの「東京に来た時 レッスンしてもらえますか?」という言葉は実現できないかもしれないが 嬉しい言葉でもあった。
送別会もあり カラオケ2次会も最終電車まで文化センターの全員が残らず彼女との別れを惜しんだ事は彼女の持つ性格からか全員がこの日の予定を返上して付き合ったことでわかる。